Art works -まさうおのかだは2

新釈『はだかのおうさま("The Emperor's New Clothes")』
~「付加価値」についてのメルヘン的考察~

仕立て屋を名乗る詐欺師が織る布は、大臣にも役人にも王様にも見えない。
だがみんな、自分が愚か者だと思われないように、見えるふりをする、大人の見栄を揶揄したアンデルセン童話である(原型はスペイン民話)。

under layer : acrylic on paper
upper layer : medium on clear plastic film
(W110mm x T153mm) 2018
e0221333_16042750.jpg


栞紐をもちあげると、透明な装飾レイヤーが浮いて裸体に影が落ちる。
e0221333_16042741.jpg


新釈『はだかのおうさま』について ~「付加価値」についてのメルヘン的考察~


仕立て屋と王さまを「詐欺師と被害者」という関係で読むと、いつもいたたまれない気持ちになる。権力構造のなかで、保身のためにNoYesと言わざるをえない人間の葛藤と選択が、現代の自分の身に降りかかる可能性を考えると、震撼するからだ。


ここで私は、2者の関係を「詐欺師と被害者」ではなく「アーティストとパトロン」に置き換えて、この物語の再解釈を試みたい。


人は、目に見える結果に価値を置きがちだ。一見シンプルにみえるものの制作過程において、膨大な手間や創意工夫、技術習得のための時間がかかっていることについては、それが可視化されない限り、人は意識しない。


愚か者には見えない布で作った服を着るという行為を、パフォーマンスアートとして捉えてみる。目に見えない付加価値を身体にまとってパレードをすることによって、不可視の領域を軽んじる人々を啓発するねらいだ。


「今までにないすばらしい服です。新しすぎて、愚かな者にはその価値が分かりません」


膨大な手間暇をかけて制作された作品は、目に見えない。王さまは、アーティストのコンセプトに価値を見出し、パトロンとなって出資し、その制作過程からパレードまでを、ストーリー仕立てで公開したのである。


王様は、裸だ。物理的には何も着ていない。しかし、一連のパフォーマンスによって、鑑賞者は、目には見えない付加価値の存在を認知し、それについて再考を促されることになる。


e0221333_16042757.jpg

↓まさうおのかだは・1↓



ⓒCopyright 2018 Maki Kaneko, All Rights Reserved.


[PR]
by maki-kaneko | 2018-02-18 23:48 | File4-Art works


かねこ まき 作品ファイル


by maki-kaneko

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

Profile
News
File1-Illustrations
File2-Picture books
File3-Business
File4-Art works

フォロー中のブログ

「絵画教室 ルカノーズ」...

以前の記事

2018年 02月
2017年 12月
2017年 09月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 02月
2016年 11月
2016年 06月
2016年 04月
2016年 01月
2015年 07月
2014年 12月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 01月
2013年 11月
2013年 07月
2013年 02月
2012年 12月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 06月
2012年 04月
2012年 02月
2011年 07月

最新のトラックバック

その他のジャンル

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ファン

ブログジャンル

アーティスト
アート・デザイン

画像一覧